東京シティ税理士事務所
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第4章 相続税対策
7.子へ貸家を贈与して移転する方法
1. 親がアパートなどの貸家を何棟か所有している場合
   アパートが建っている宅地評価は、貸家建付地=更地評価×(1―借地権割合×借家権割合)例えば、借地権を70%,借家権を30%とするとその土地の評価は100%−(70%×30%)=79%となり、2割ほどその土地が低く評価されます。このアパートを子に贈与すると、子は宅地上のアパートから家賃収入が得られることが考えられます。
 
2. 相続時精算課税制度と組合せる場合
   アパートなどの収益物件を子供に贈与する際には、相続時精算課税制度を利用すれば、そのアパートの固定資産税評価額に基づく評価額で贈与することができ、贈与額が2,500万円以下であれば贈与税がかからずに贈与することができます。
 また、贈与後は賃貸収入を贈与者である子供に帰属されることができ、また贈与者である親の所得増加を抑制させる効果もあるので、将来的な相続対策としては有効な活用方法であるといえます。
@ アパートの建物の贈与
  (イ) アパートの贈与
     時価(建物)      3,000万円
     固定資産税評価額 2,000万円
     借家権割合         30%
     敷 金          100万円
  (ロ) 贈与税額の計算
 ◇アパートの建物購入資金の現金3,000万円を贈与した場合

      

 ◇アパートの建物を贈与した場合

     
A アパートに係る敷金の取扱い
   アパート賃貸の際に賃借人から受け入れる敷金は、賃貸借契約終了後に賃借人に返済する債務です。アパートを贈与することは、所有権だけではなく敷金の将来の返還義務も贈与者から受贈者に移転することになるので、この場合には「負担付贈与」に該当することになります。負担付贈与に該当すると財産を時価で贈与したものとみなされてしまいます。
      
  税務上は、アパート贈与時に、返還すべき敷金相当額を現金で同時に贈与すれば負担付贈与にあたりません。
   
   この場合、建物と現金100万円は贈与として、敷金100万円は債務として子供に引き継がれます。
具体例として、親から子へ10年間、500万円(年間家賃収入相当額)を贈与する場合と建物を相続時精算課税により贈与する場合を比較します。
 
 
(イ)現金で毎年贈与する場合 (ロ)建物を贈与する場合
贈与税(年間) 贈与税(贈与時)
(500万円−110万円)×20%-25万円=53万円 (2,000万円−2,500万円)<0円
合計 53万円×10年=530万円  
※一括贈与の場合 ※相続時精算課税制度を選択
(5,000万円−110万円)×50%−225万円
=2,220万円(毎年贈与より+1,690万円)
2,000万円は親の相続税の課税対象となる。
(子の収入金額) (子の収入金額)
(500万円−53万円)×10年=4,470万円 500万円×10年=5,000万円
贈与税負担(イ)−(ロ)= 530万円
 
   上記のように、毎年現金で贈与するよりも、建物を贈与する場合のほうが、親の所得を分散し、収益の移転がはかられます。建物を贈与することにより生前の相続財産の増加は抑えられ、子の納税資金の準備をすすめることができます。
 仮に相続時までアパートを贈与せず相続が発生した場合の宅地の評価は、以下のとおりです。
B アパートが建っている宅地の相続税評価額
  (イ)アパートの敷地の相続税評価額
     自用地価額   1億円
     借地権割合    70%
     借家割合     30%
  (ロ)相続税評価額
  ◇相続開始前に賃借人付アパート建物贈与、その後賃借人に変更があった場合
  1億円(自用地価額)
  ◇相続開始前に賃借人付アパート建物贈与、その後賃借人に変更がなかった場合
     


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